真庭の人材

樋口木材

1年をかけて乾燥させ、
1cmにこだわって仕上げる
天然乾燥ヒノキ。

1cm 単位で
天然乾燥ヒノキをオーダーメイド。

のどかな山々の間を南北に流れる旭川沿いで製材業を営む樋口木材。創業当時より、天然乾燥ヒノキに特化し、その中でも節の少ない美しい木材にこだわっている。現在の社長は、二代目の池田光真さん。もともとは、倉敷で薬剤師をしていた異色の経歴だ。

木材が置かれている倉庫に入ると、ヒノキの香りが漂う。一階と二階に所狭しと大小様々な木材が並んでいる。「うちの強みは、天然乾燥のヒノキです。天然乾燥は油が抜けにくいので、木の色がいいし、香りも残る」。

そしてもう一つ、樋口木材には大きな特長がある。規定の寸法ではない特殊材を提供できることだ。一般的に木材は、12cm、15cm、18cmといった3cm刻みで製材されるのが主流。その中で、16cmや19cmといった1cm単位でのオーダーメイドに対応している。ただし、たとえ注文が来たとしても、在庫がない木材をすぐには用意できないのが天然乾燥材の難しいところ。少なくとも半年から一年程度の乾燥期間を必要とするものが多いことから、樋口木材では、絶えず1cm刻みで木材を取り揃えているという。

「それぞれの製材所に得意な種材があるのが真庭の製材業の強み。真庭に来れば、だいたいの木が揃うことが、真庭が木の街として育ってきた理由だと思う。天然乾燥のヒノキなら、ぜひ樋口木材にご相談ください」。

元薬剤師。
異色の経歴を持つ
2代目の挑戦。

2代目社長の池田光真さんは、約7年前まで倉敷で薬剤師をしていた異色の経歴を持つ。生まれは真庭だ。樋口木材の創業者が叔父にあたり、製材業には慣れ親しんでいたという。「小さな頃から工場は身近な存在だったので、自分が製材業界に入ることにそれほど葛藤はありませんでした。ただ、自分がやるとは思っていなかったですね」。跡継ぎがいないという状況から声がかり、二代目となった。

会社を引き継いだ当時は、わからないことが多く手探りだったそうだ。「難しかったのはせりです。遠慮していると木が手に入らないし、闇雲に買っても仕入れ値に見合わない、仕入れた木が思うように売れないなど、最初は失敗も多くありました。でも、その反対に、丸太を挽いた時に思いがけず良材に出会えることもあり、そのあたりが製材業のおもしろいところだと思う」。このような成長の中で、先代から教えられた言葉の意味が、最近になってわかることも多いと池田さんは話す。

「自分が扱った木が売れた時は、やっぱりうれしい。昔に比べると住宅の着工数も減っていて、いい木材が使われる機会が減ってきている。でも、木が使われなくなるということはない。真庭の木と、真庭の技術は、これからも必要とされると思う。木を扱う技術は、自分で経験しないと身につかないものだけど、木を扱う面白さは若い人にも伝えていけると思うので、製材に興味がある人がいたら、真庭に来てほしい」。

樋口木材

取り扱い
ヒノキ

乾燥
天然乾燥

ADRESS.
真庭市見尾174-4

TEL.
0867-44-7260

FAX.
0867-44-6460